東欧生まれの二眼レフ | Flexaret VI

Flexaret

今更、と言われるかもしれない。

実際嫁さんには言われた。

ハッセルを手に入れてから6×6での撮影頻度が爆発的に向上した今日この頃、軽量装備がいいから久々にローライでも持ち出すかーと使ってから若干二眼熱が再燃していたのであるが、そんな時に限ってふとカメラの名前が浮かんで検索してしまうのは、カメラの神様のいたずらなのではないだろうかと思う。

Flexaret(フレクサレット)、今回ご紹介するのはそんな名前のカメラである。

正直なところ、ライカやローライ、ハッセルと比べると無名に近いカメラであり、名前を聞いたことがないという方もいらっしゃるかもしれない。しかし、調べてみるとこれがファンも多いカメラなのである。

このカメラ、猫も杓子もローライコピーだった時代(言い過ぎか?)にMeoptaというチェコ(当時はチェコスロバキア)のメーカーが作り出したカメラで、ローライとは違う独自の構造を持ったカメラなのである。特徴的なのは振り子型のピントレバーだろうか、ミノルタのオートコードにも採用されているこの形式、実はミノルタがフレクサレットのこれを参考にした、なんて話もあるようである(時期的にその可能性が高いと考えている)

Light in park

実は私が初めて使った中判カメラは二眼レフであり、ミノルタコードというカメラであった。今は友人のもとで活躍してくれているのだが、これが振り子式のピントレバーであり、なんとなく操作的にもしっくりくるのである。

もともとフレクサレットは気になっていた理由は「チェコ製だから」とただそれだけなのだけど、調べていくとそういった魅力や、グレーの革張りがされた独特の外観、さらにBelarというレンズがTessarに匹敵する!?なんて評判も聞こえてきたりと、二眼熱が再燃していた身としては手に入れるしかなかった、というわけである。何よりカメラが高騰しているこの時代にお手頃価格だったということもある。

私が手に入れたのはFlexaret VIと呼ばれる6代目のモデルで、実用として最も完成されていると言われているモデルである。VIIというのも存在しているが、VIに対して構造が変更されており、壊れやすい、壊れたら治せないなんて情報を見てビビってしまった。とはいえ基本的にIV(4代目)からレンズはBelarが採用されており、レンズ自体に大きな違いはないのではないか、と考えている(いろいろ揃えて撮り比べ、とかやってみたいところだけど個体差の方が大きそうなのでやめておく)

Telephone booth

手に入れてから軽く全体を掃除した上で撮影してみた結果が本記事に掲載しているものである。正直、手持ちのRolleiflexについているOpton-Tessarよりも好みかもしれない。また、Flexaretに限ったことではないかもしれないが、さすがは二眼レフというところか暗所でシャッター速度おそおそでもあまりブレていない。ちょっと1/10付近のシャッター速度が不安定(ガバナーが効かない時がある)だったりするので、タイミングを見てメンテナンスに出したい気持ちもあるが、使い始めてしまうとなかなかタイミングを逃してしまうんだよなあ・・・(なのでハッセルは手に入れてすぐにメンテに出したのである)

ローライにしてもフレクサレットにしても、二眼レフで撮る写真はハッセルで撮るのとはまた違った優しさを感じられるので、ハッセルもローライも所有してしまう人の気持ちがよくわかる(というか自分もその一人なのであるが)

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