ひょんなことから我が家にやってきたスーパーイコンタシックス。わけあってセミイコンタの方はメンテに出ているのでシックスの方でいろいろと試している。今回はカラーフイルムを詰めてみた。
上の記事でも書いたとおり、このイコンタシックスは1936年製である。当然その頃にはカラーフイルムなんてものはなく、当然コーティングの技術なんかもないため、レンズもモノクロを前提とした設計になっているはずである。しかし、テッサーというレンズはレンズをたった4枚しか使っておらず、コーティングを施さなくても意外と高い性能を出せるという事実もあるようである。さて、そんなスーパーイコンタシックスにカラーフイルムを詰めて撮ってみた写真がこちら。
ああ、好きな雰囲気である。ノンコート時代のレンズでカラーネガを使ったときのこの柔らかい感じがとても好きなのだ。ライカの古いレンズで撮るカラーも好きなのだけど、なかなかライカにカラーを詰める勇気がなくてあまり撮れていない…
やわらかい、と言ってもピントが甘いとか、解像度が低いとかそういうわけではない。(たまに混同している人をみかけるような…)ピントが合ったところは(ちょっとピント精度の不安は残るものの)しっかりと解像しており、古くてもテッサーはすごいんだ、ということを思い知らされるのである。
古いレンズなので彩度も低く落ち着いた写真が撮れる…と思っていたら、時折別のレンズで撮ったのではないか、と思うようなビビッドな発色をすることがある。実はエルマーの35mmも同様の傾向があるのだけれど(不思議と50mmではあまり感じたことはない)テッサータイプの侮れない部分である。テッサーはいいぞ。