フィルムをスキャンする

black cat

前回、フィルム写真をデータ化する方法についてお話した。
私は普段、自分でフィルムをスキャンしているということで
その方法について、もう少し掘り下げてみようと思う

フィルムをスキャンするためには、スキャナが必要である。
しかし、スキャナにもいろいろあるのが現実である。

簡易版フィルム専用スキャナ

最近良く見かけるようになった、簡易的な専用スキャナがある。
価格的には最も安く、1万円以下からものはある。

しかし、このタイプは正確には「フィルム専用スキャナ」というより
「フィルム専用カメラ」と考えたほうがいいかもしれない。
つまり、中にデジカメの撮影素子がついていて、フィルムを撮影、
反転して画像として保存する、というタイプである。

画質に関してもあまりいい評判は聞かないが、なんといってもスキャナではなく
カメラなので、スキャン速度が早い。
前述したとおり、価格も非常に安いので、昔のネガをとりあえず簡単に
データにしてみてみたい!という方にはオススメできる方法である。

フィルムスキャン機能付きフラットベッドスキャナ

最近では、このタイプを使われている方が多いかもしれない。

普通のフラットベッドスキャナでは、フィルムをスキャンすることはできない。
一般的に、プリントをスキャンしたり、書類をスキャンするときは
読み取りセンサ側(スキャナの本体側)から光を当てて、反射してきた光を
センサーで読み取ることで、データとしている。

一方、フィルムは透過光原稿と言い、読み取りセンサと反対側(スキャナの蓋側)
から光を当てて、フィルムを通した光をセンサーで読み取って、データ化する必要がある。

なので、フィルムを読み取るには、スキャナの蓋側にも光源が必要になる
わけである(もうすこし詳しく知りたい方は、ぐぐってください)
フィルムスキャン機能を搭載したフラットベッドスキャナ、というと
だいたい中級機と言われるクラス以上のものになる、と思う。

1万円やそこらで買えるスキャナではダメで、だいたい2~3万円、
高機能のものになると、5万円を超えるものもでてくる。
私も、基本的にはこれ(中級機くらいを中古で購入)を使用している。

このタイプのメリットは、「普通にスキャナとしても使えて、そこそこの
画質の写真データとして取り込むことができる」というところであろうか。
また、比較的廉価なモデルでも、ブローニーの取り込みに対応している
というところも、ほどよく手軽にスキャンできるといった面で
メリットといえるであろう。

「どうせデジタル化するなら、最初からデジカメで撮ればいいじゃん」
と言われることも多い。
しかし、結果デジタル化したとしても、やっぱりフィルム写真はなんか違う、
と感じられるのは、カメラではなく、スキャナで取り込むからこそ
生まれるのではないか…?とか

そんなことを時々考えている(このへんの話はまたいつか)

フィルムスキャン専用機

家庭でスキャンするのであれば、このタイプが最高峰であろう。

ただ、フィルムをスキャンするためだけに作られたスキャナを使う方法である。
メリットは、とにかく専用機なので機能・性能共に高い。
…とは言っても、おおまかな機能については、2番めに触れたフラットベッド
スキャナも十分に追い付いてきていると思う。

私の考える専用機のメリットは、AF機能にあるのでないか、と思う。
つまり、フィルム面にピントをあわせる機能が付いているか…?ということである。
フラットベッドのスキャナでは、基本的にガラス面にピントが合うように
設計されている

フィルムホルダを使ってスキャンする場合、フィルムそのものはガラス面から少し
浮いてしまうことになる。これが、ピントのズレにつながるのではないか。
ピントがずれる、ということは、本来ピントがバッチリきている写真でも
スキャンするとどうもボケてる感じがする…といった形になる。
私自身、そんな印象は受けていた。

一方、AF機能の付いている専用機というのは、フィルムホルダーもしっかりしており
AFにより、コマごとにピントを合わせてくれる。
これにより、しっかりと解像した写真データとして読み込むことができる。

先日、先輩から10年以上前の専用機を譲ってもらったので
試しに今まで使っていたフラットベッドスキャナと比べてみた。
結果が以下である。

gt-x.jpg
EPSON GT-X820
af2840.jpg

Minolta Dimage Sucan Dual III
違いがよくわからない。
ビアジョッキのロゴの部分だけを切り取ったもので比較してみる

gt-x_focus.jpg
EPSON GT-X820
af2840_focus.jpg
Minolta Dimage Sucan Dual III

フラットベッドではなんとなくもやっとしていた部分が、
専用機ではきちっと解像している、ように見える。
どちらも粒子低減等のフィルタ等はかけていない(GT-Xの方はゴミ除去をかけていたかも…)

とはいえ、フラットベッドでも、最近の機種ではフィルム面にしっかり
ピントが来るよう設計されているようだし、ホルダーなしでガラス面に
フィルムを置く、などといった工夫によって、ピント問題は解決できる可能性も
高いと考えられる。

そもそも、上の写真を見ていただく限り、通常Blog等に掲載する程度のサイズでは違いは全くわからない。

さらに、専用機はやはり値段が高い!最廉価のものでも3~4万、
ゴミ取り機能やブローニー対応のもの、とすると10万以上するのではないだろうか。

総合すると、よっぽどの理由がない限りはフィルムスキャン機能の付いた
フラットベッドスキャナを使うのが、一番お手軽でオススメできるのではないか、
と思う。

2件のコメント

  1. フィルムスキャン専用機・・・うらやましいいい!
    専用機の取込を見たことがないんだけど、フィルム切らずに差しこむと勝手にスキャンしてくれる感じ?
    確かに比較を見ると色合いも風合いも違うように見えるさね~
    わしもGT-X820を使うようになって結構が効率があがったのだけど、安い専用機があって便利そうだったら手を出してみたいなぁ

  2. >harureiさん
    まいどですー
    残念ながら、切らずに差し込むことはできません…
    普通に6コマずつに切って、キャリアに入れて差しこむような形です。
    GT-X820は一度に12コマ取り込めるので、効率としては下がりましたが…
    なので、利便性という点ではフラットベッドの方がいい気がします。
    嫁さんに見せたところ、「(専用機の方が)ビールに透明感がある!」と言われました
    確かに、言われてみれば…
    これも、スキャンの解像度が高いからかもしれません。
    スキャンしたものを拡大してみると、専用機の方はフィルムの粒子がはっきりわかるくらいなので…
    ACROSの粒状性に改めて驚きました(笑

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