ズマールの話 | Summar 50mm f2.0

FILMS

アクセス解析を見ていると、定期的に「ズマール」というキーワードで
訪れてくださるかたがいらっしゃるようである。

と、いうわけでご要望にお応えして(誰も要望してないって?)
ズマールというレンズについて、作例と共に語ってみようと思う。

ちなみに、私の所有しているズマールは、前玉の傷は酷くないが
中玉の周辺に曇りが発生している、そんな状態のレンズである。
(MARUMIの保護フィルターを装着している。フードはない)
オールドレンズである以上、ひとつひとつの状態が異なるので
この作例を参考に入手されても、写りが違うことは認識しておいていただきたい。

smoker
ズマールの絞りは六角形なので、強い逆光状況では六角形のフレアが発生する

ズマールというレンズ

ズマールは、ライツ社初の開放f2.0レンズである。
発売当初からボケ玉として不人気だった…という説もあるが、
12万本も売れているそうなので真実なのかどうかは定かではない。

とはいえ、同時期にツァイスの出していた
ゾナーf2.0に対して、性能で劣っていた…のは、どうも事実であるらしい。

Middle Format Camera Boys

この日は曇っていておひさまの光がなかったので、
ズマールにとっては最高の状況だった

昔は不人気の格安レンズ?今では…

少し昔のblog記事なんかをみると、「格安で買えるライカレンズ」と謳われている。
しかし、今ではその実力が再認識されたのか、マウントアダプタ遊び
が流行っているからか状態のいいものはそこそこの値段が付いている。

値段の安いものについては、ほとんどが「前玉傷だらけ」の個体である。

紫陽花
Nookyを使って接写したもの。雨に濡れたあじさいの質感が良い。

曇りや室内で本領を発揮する

ひとたび逆光、いや順光においてもフレアが発生し、フワフワになる傾向があるが、
曇りや室内という強烈な光のない状況においては、とても良く写る

そのような条件での質感は非常に良いと思う。
そう、ズマールは曇り・室内のレンズなのである。

yome
以前書いた記事でも載せていたが、室内で光の少ない状況だと、
時々とても良い写りをする

夜景には向いてないかもしれない

光の少ない条件では良い、と思うわけだが、夜景になるとまた話が違ってくる。
夜景、特にイルミネーションを撮るなんて場合においては、
光が少ないようでいて、光源がそこらじゅうにある関係で逆光条件に近くなる。

illuminate

スカイツリーソラマチのイルミネーション。
イルミネーションの光でふんわりしてしまっている

飲み屋街

こちらも飲み屋の看板の光によってフレアが発生している。とにかく逆光には弱いのだ

シチュエーションを選ぶレンズ、しかし基本性能は高い

結局のところ、曇りか明るめの室内、しかも画面内に光源がないこと。
といったような、非常に限られたシチュエーションで威力を発揮するレンズである。
しかし、このレンズの使い方としては、「ちゃんと写る」条件で使っても面白く無い

untitled
model:Alex

日が暮れ始めた、ズマールにとって「良い条件」の環境で撮影。綺麗に写る
敢えて逆光で使う、光源を入れて夜景を撮る、などといったように
「いじめた」使い方をすることで、時折非常に面白い写真を生み出してくれる
以下、陳腐な写真で申し訳ないが、作例を並べてみる。

night room

光源を入れると、周囲がにじむ

lighting

計算して出せるものではないが、時折かっこいいフレアが出る

total eclipse of the moon

2014年10月の皆既月食。三脚に据えて露光すれば、意外にもしっかりと写る
以上、ズマールのご購入を検討されている方の参考になれば…

1件のコメント

  1. エルマーの次に今回ズマール購入しました。参考になりました。ありがとうございました。

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