D-76 vs Tmax現像液

Layered

めざ個仲間より、Kodak Tmax 400を譲っていただいた。

あまり使ったことが無いフィルムだったのだけれども、なんとなく「専用現像液じゃなきゃダメ」というイメージを持っていた。とはいえうちにはD-76しかなかったので、とりあえずD-76で現像

その後、せっかくなのでTmax現像液でも現像し、比較してみることにした

最初の方がD-76で現像したもの
途中からTmax現像液で現像したものを貼っている

Layerd

結論から言うと、私には違いがあまりわからなかった。まだプリントしていないのでなんとも言えないところもあるけれど…

一般的には、TmaxをD-76で現像すると、軟調になりすぎる…ということが言われている。でも、個人的には軟調が好みなので、むしろ都合がいいのかもしれない。

Omotesando

この写真なんかを見ると、たしかにちょっと眠さは感じる気もする。コントラストがしっかり付いた写真が好みの方は物足りないだろう

ハイライトのヌケ、もちょっぴりもの足りない気もする(右上の雲のあたりや看板の反射)全く同条件で撮影したものではないので感覚的な比較になってしまうが、確かに「軟調になる」傾向は見られる…ような気がする

 

ここから、Tmax現像液で処理したものを貼っていく

Big Baby

いきなり屋内の写真なのでちゃんと比較できないが、黒の締りはこちらのほうがいい…気がする(補正にもよるので一概にはいえないが)

しかし、普段使ってるKentmereを1段減感して出ているトーンが減感なしで出ている気がする。粒状感も程よい。(これは現像液というより、フィルムの性能か?)

Winter shadow

屋外での1枚、やわらかい冬の光を捉えられている感じが好きだ。道路の反射あたりのハイライトのヌケはD-76現像では出ないかもしれない

こんな感じで、個人的にはうまく説明できるような、大きな違いを見出すことはできなかった(細かい違いは、いろいろあると思う)とはいえ、写真を見て何か気づくところがあればと思い記事にしたので参考になれば幸いである

次は、Tmax現像液で普段使いのKentmereを現像してみようかな…

 

※2019.8.4追記
コメント欄にて河村さんからとても詳しい両現像液の違いをご説明いただいたので是非ご覧いただきたいと思う。この話を聞いてTmax現像液でもいろいろ試したくなった。

3件のコメント

  1. TMAX現像液を常備しているところが少なくなって、在庫店をぐぐっているうちここにたどり着きました。
    TMAXとD76の使い分けですが、この前に、TX(トライX)、とTMY(TMAX400)の特性差が重要です。従来型TXは、シャドーの締まり向上と、ハイライトの飛び回避のため、シャドーが高コントラスト気味、ハイライトが低コントラスト気味となる特性を持たせています。これに対して、TMYは、露光安定性を優先して開発されたフィルムで、ie400で撮っても、ie800で撮っても、全く同じ結果を得られることが発売当時の売りでした。そのため、シャドー部からハイライト部まで、直線的な特性を持っています。
    従来のフィルムに慣れた人がTMYを見ると、シャドーが眠く、ハイライトが飛びやすいものと判断されます。加えて、シャドーの立ち上がりが緩く、従来のD76やHC110で現像すると、ie320程度に露光させないと、黒が全く締まらない結果になります。TMYが出た当時、TMYで撮って現像を外注すると、現像所のほとんどはHC110でしたから、TMYの評価はかんばしくありませんでした。
    TMAX現像液は、シャドーに対して強く働き、シャドーを引き起こす作用がD76よりもあります。ハイライトや中間部に対しては、D76と変わりなさそうです。ただ、kodakの推奨条件で現像すると、ie800になり、コントラストも強めに出ます。私は六倍希釈、濃縮液1に対して水を5で、22℃七分で、ガンマ0.6の標準コントラストネガを得て、ie500で使っています。
    TXとTMYの使い分けは、露光条件がしっかりしている時はTX、不安定なときは過剰露出に強いTMYが基本です。
    TMAX現像液は、TMYと組み合わせるのが標準ですが、TXに対しても、シャドーを引き起こす作用がありますので、露光不足が懸念されるときや液温を少し下げて中間部を若干緩めたい時は有用です。私は先ほどの六倍希釈20℃7分をTXに適用しています。
    ただこれらの特性差は露光にして1/3段定度の差しかないので、ほとんど気にならない事の方が多いです。最近は全容一気に溶かさなければならず保管の面倒なd76より、必要量だけ希釈して作れ、密栓さえしていたら使用液を一月ほったらかしても、ほとんど劣化しないTMAX現像液の方が楽でよいので、TMAX現像液一辺倒になってます。

    1. 河村さま
      はじめまして、コメントありがとうございます。とても勉強になります!
      特性曲線を見たときにTXはハイライト側で寝始めるのに対しTMYは直線で伸びていく、というのは知っていたのですが、シャドー側でも違いがあるのですね。
      そして、TMax現像液にシャドーを引き起こす作用があるというのも知りませんでした。液体の現像液はかなり使い易いので常用したい想いもありますが、コスト的にかなり変わってくるので悩ましいところです…

      しかし、このお話を聞いたからにはTMax現像液もいろいろと条件試してみたくなりました。ありがとうございました。

  2. TMAXの特徴としてハイライトの直線性が良い事が一番に来ると思います。
    私は中判で撮影する事が多いので粒状性はあまり気になりません。ハイライトの直線性が良いだけシャドー部のkんトラストは低く、焼く時に何処で黒く潰すかの判断が出来るようにシャドー部の描写の為の露出を行っています。(ハイライトは気にする事が無くなった)最初はD76で使いたく思いましたがセンシトメトリーするとガンマ0.6で感度100の方でEI50-64、感度400でEI160-200程度で使用を諦めました。それで補充が出来るT-MAX RSを使用して本当にEIのシャドー部測定で表記感度より1段感度が上がるにかと測定してみますと 100の方がマスターγで0.7で160は出る、400で同じガンマで640が出る感じで・・・マルチグレード印画紙に焼き付けるのですから、少し時間を伸ばして現像しています。
    ただ、RS現像液が現実的に購入できないような状況になり、現在は処方公開され、補充液処方もあるPQーFGFを使用するようになり3年経ちます。でTMAXよりシャドー感度が気持ち高くなるのでTMYを200 TMXを800で撮影しています。まあ、1段落として撮影しても大した変化も無いので、1段の幅で撮影しています。

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