50mmズミクロンの系譜

BBQ Stage

ふと思い返すと、各世代のズミクロン+ズミクロンのご先祖を使ってきたことがあるような気がして、写真をまとめてみることにした

購入をご検討されている方の参考になれば

■ズマール

ズミクロンのおじいちゃんにあたるレンズ。ツァイスゾナーに対抗してライツが作った、初の開放f2.0レンズである

Couple's dream

ダブルガウス型というレンズの配置を取っており、性能こそ良いものの、コーティング技術の未熟だった当時はレンズ表面での光の反射によってフレアが出やすく貼り合わせ面を増やしたゾナーに逆光性能では負けていたらしい

Bicycle

私は当時のゾナーを使ったことないのだけれど、当時のゾナーのコピーであるジュピター8を使ったときはズマールなら真っ白になってしまいそうな状況でもしっかりと写してくれた。

しかし、光線状況の安定した(曇りの日など)にしっかりフードを付けて使えばさすがはズミクロンの家系を感じさせる写りをする。ズミクロンよりも少しボケが暴れる感じは色気を感じさせることもあり、好きな人にはたまらないレンズではないだろうか

OM Girl

■ズミタール

ズマールから少し進化したレンズである。基本的なレンズ構成はズミクロンと同じになっており、違いは個々ののレンズの形状と、いわゆる「空気レンズ」の有無だけとなっている

Beer Tap

その為、写りも安定した条件であればズマール以上にズミクロンらしさを感じさせる

このレンズについては短い期間お借りして使ったことがあるだけなので、深い考察はできないけれど、癖は落ち着いているけれどズミクロンほど優等生でもない。古臭い描写を楽しむにはバランスの良いレンズだと思っている

Love Beer

ボケも若干暴れるものの、ズマールほどではない。というか、このあとの沈胴ズミクロンもこのくらいは暴れるのでほぼズミクロンと言ってしまってもいいのではないか、と思う(それでも両方欲しくなるのは病の証)

Fireking

また、ズマールとズミタール(あとヘクトール)は同じNookyを使用することができる。ズマール用に持っていたNookyを使って撮ってみたのがこの一枚Nookyについてはまたいつか別の記事で。

■第1世代沈胴

今でも現役No.1レンズの沈胴ズミクロンはズミタールをベースにレンズを改良したもので一番の違いは先述したとおり「空気レンズ」を採用したことにある

初期Lマウントの沈胴ズミクロンは、マウント部がズミタールと同じ光沢のある素材、レンズ先端がその後のライカレンズのような梨地処理となっており、過渡期につくられたレンズであることを感じさせる

Camera Girl

ズミクロンの解像度記録(測定不能の結果がでたアレ)についてはこのあとに出てくる固定鏡胴ズミクロンのものであるが、沈胴タイプのものは固定に対して周辺では劣るものの中央では勝っている、なんて記述もある(真意は不明、そもそも構成が違うのかもよくわからない)

Motorbike

現代レンズで解像度だけど追い求めることはなくなったので、この頃の解像度を追い求めていたレンズは貴重なのではないだろうかまるで、最高速を競い合っていたいつかの大型バイクのような…(ハヤブサとか、ZZRとか、懐かしいですね)

レンズは解像度が高ければいいってわけじゃないというのは事実だが、解像度が高ければ、それだけ詳細な表現ができるわけなので、悪いものではない。この頃のレンズは解像度が高いと言っても技術的には発展途上なので、ほどよく欠点が見え隠れするあたりに魅力を感じる

Paperpool

これが開放撮影だったかは覚えていないけれど、ズマール、ズミタールに比べて開放撮影時の性能も向上している。沈胴式はコンパクトにもなるし(エルマーほどではないが)しっかり写る。迷ったら選べば間違いないレンズだと思っている

但し、癖は前の2本に比べて薄まっているので、癖を楽しみたい方にはあまりおすすめ出来ないレンズでもある(それでも新しいレンズに比べれば癖はあるけれど…)

■第1世代固定

固定が使ってみたいー!と叫んでいたら心優しい友人が貸してくださったレンズ。状態だけで言うと自分の沈胴より曇りが出ているきがしたが、心なしかコントラストや解像度は高い気がした。隣の芝生か。

休日

個人的に、M3に一番似合うレンズだと思っている。ズミルックス50mmはちょっとFatなのでややアンバランスになってしまうし、沈胴も良いが、厳密なことを言うとマウント側の質感がちぐはぐである(とはいっても、実際付けて撮り始めれば気にしないし、Mマウントの沈胴ズミクロンなら問題ない)

Shigakogen Beer

2016年に開催した個展のパーティで振る舞った志賀高原ビール。イチオシのジャパニーズクラフトビールである…ってことはお借りしてたのは2年以上前なのか…

Paper Pool

黒もしっかり締まっていて美しい。うーんやっぱり固定のほうがよく写る気がするなぁ…(個人の感想です)ちなみに、この頃のズミクロンは仕様差がよくわからない。固定に変わるときにレンズの形状が変わった、という説もあるし(構成は同じ)固定の前後期で変わった、なんて話も聞く。どれが本当かは…ライツのみぞ知る?(分解修理されてる方ならわかるんだろうか)

■第2世代

ひょんなことからお借りすることができた第二世代。正直、一番バランスの取れた個体でおすすめできるレンズだという印象である。唯一、ピントノブがないということを除いては…

Airport

カラー世代のレンズということで、コントラストは向上しているが、現代レンズほど硬いわけではないし、現像でなんとかなるレベルである。その上、性能は向上しているので素直に写る、ボケも美しい

Beer

しかもなんと70cmまで寄れる。一眼レフユーザーの人から見たら「何いうとんねん」という話だが、古いレンジファインダーのレンズはどれも最短1mなのだ。100cmと70cm、この30cmの差は大きい。30cm定規1本分も寄れるんだぜ

但しM3の場合距離計が90cmくらいまでしか連動しないので、あまり恩恵を受けられないのが悲しいところ…

snow portrait
Model : Hotaruさん(@kosyo0821)

逆光性能もかなり向上している。初代ではまっしろしろになってしまいそうなシーンでもきちんと写してくれている。時代の進化は素晴らしい。きっと、カラーで撮ればいい感じのフレアになるんだろうな…

■第3世代(第4世代)

これも友人にお借りして使ったときのもの。実際に使用したのは第4世代だが、レンズ構成は第3世代と同じである

summer shadow

この世代になるともうしっかりと写る現代レンズである。コントラストも高く、ボケも美しい

かき氷

古いレンズの癖を楽しむのも良いけれど、実直に写真を撮るのであれば、性能の高い新しいレンズを使うに越したことはないなぁと感じさせてくれる

風鈴

…とはいえ新しいレンズは高いので、許容できる範囲で古いレンズを使う、というのが
現実的になってくるのだろうか。いや、一部古くて超高いレンズもあるけれど
それはまた別の話…

 

そんなわけで、今まで使ったズミクロン族をご紹介してみた。APOズミとかその辺は未開の地だし開拓するつもりもない(できない)ので別の方がきっと紹介してくれるであろう…

 

過去に書いた50mmレンズ一気見せの記事はこちら。多少言ってることが違うかもしれないけれどご容赦頂きたい。

 

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