この度、Petri Color 35をお借りすることができたので、しばらくRollei35Sの代わりにカバンに詰めて持ち歩いてみた。通勤時もカバンの中には必ずカメラを入れておきたい自分としては、このサイズのカメラは重宝するのである。
和製ローライ35と呼ぶことについては賛否両論あるかと思うが、コンセプトとして非常に似ていること(コンパクト35mmカメラ、目測、露出計内蔵、沈胴)からこう呼ばせていただくことにする。
簡単にカメラの紹介をすると、Petri Color 35は1968年に発売された日本製のコンパクトカメラである。ペトリって日本の会社なんですってよ。Rollei35をめっちゃ意識した感じのカメラであるが、開発はRollei35の発売前からスタートしていたという次話もあったり、また操作に関しては一般的なカメラとほぼ同じになっている。
1本フィルムを通してみた感想として、Rollei35の撮り方に慣れた身としては少々使いづらい部分がある。まず、沈胴状態から撮影状態に移る際、Rollei35はレンズを引き出してカチッとロックですぐ撮影できる状態になるが、Petri Colorはフォーカスリングをくるくる回してレンズを引き出さなければならない。これが意外と時間がかかってストレスに感じた。ただし、これは一度撮影状態になってしまえばそこまで気にする話でもない。
一番いただけない…と感じたのは、距離の表示がファインダーの中にしかないことである。これでは、目測でピントをあわせようにもファインダーを覗きながらくるくるピントリングを操作しなければならず、構えてからシャッターを切るまでに時間がかかってしまう。ファインダーを覗く前に全ての設定を済ませて、覗いたら切るだけ、またはノーファインダーでシャッター切るような撮り方をしていると、どうもうまくないのだ。
とはいえ勿論、3m固定でスナップ、といった使い方であれば一度合わせてしまえばいじることはない。
次に、このカメラは失敗を防ぐ工夫があちこちにされている。まず、巻き上げた状態でなければ露出計が動かない。また巻き上げられていたとしてもレンズキャップをすると露出計の露光部も同時にカバーされるため、これまた露出計が動かない。これにより、キャップをしたままシャッターを切るという失敗を防いでいる。
また、沈胴状態ではシャッターが切れないようになっている(これはRollei35も同じであるが)しかし、これが少しばかり曲者なのである。このカメラ、先述したように沈胴状態からピントリングを回転させて撮影状態に持っていくと、まず無限遠位置になり、さらにピントリングを回すと近距離側にピントが動く(レンズが繰り出す)…という構造になっている。
ここで困ったことに、沈胴状態と撮影状態がシームレスに繋がっているため、無限遠位置がわからないのである。撮影状態になったらロックがかかり、沈胴状態に戻すにはボタンを押さなければいけない…とかであれば、ロックにあたったところが無限遠、ということが手探りでわかるのであるが、そういったものもないので、ファインダーを覗きながら針が無限遠位置にくるまでピントリングをくるくるしなければならない。これもちょっとかっこ悪い。
※この記事を書きながらあらためていじってみると、無限遠位置で軽くクリック感があることに気がついた。なんで気づかなかったんだ自分。それなら全く問題はない。
なんて、イマイチだと感じたところばかり挙げてしまったのだけれど、改めてカメラをいじりながら考えると、使い手が慣れることでかなり便利に使えるような気がしている。無限遠のところでクリックがあるなら手探りで無限遠を出すことはできる。基準位置がわかれば、そこからピントリングをどのくらい回転させればどの距離になるかはだいたい手感で認識することができる。無限遠〜最短まで、ピントリングの回転角は270度くらいなので、ピントリングにマークを入れても良いかもしれない。
距離設定の部分だけをクリアすれば、絞りとシャッター速度は右手の親指・人指し指で操作できるようになっており、絞り・シャッター速度をいじる度に左手・右手と持ち替えなければならないRollei35に比べ操作性は良い。あとは、シャッター速度が1/15から1/250だというところは残念である…もう1段ずつほしかった!
さて、操作感の話ばかりになってしまったのだけれど、長くなったので今日はこのへんで。写りに関してはもう何本かフィルムを通してから記事にしようと思う。
なんだかネガティブなことばかり書いてしまったような気分だけど、書きながらいろいろと発見(うまく使う方法とか)を思いついてしまったので早く次のフィルムを詰めて使いたくなってしまった。
こんばんは。
ググってみたらほんとうによく似たカメラでした。
ペトリの方が見た目シンプルで昔のお弁当箱のように見えますね。
全然知らないカメラがまだあるのが面白いです。
色々撮り比べて好みを見付つけるのも面白そうですね。
そうなんです、そっくりなんですよねえ。
お弁当箱、確かにそうですね…!記事にも書きましたが操作系も比較的普通のカメラに近く、扱いやすいです。
ただ、扱いやすさは人の癖によるんだなぁと今回実感しました…
(私はRollei35の方が好き、貸してくださった方はPetriの方が好き、という結果)