フィルムの自家現像

carp streamer
Pentax 6×7 / Kodak 400TX

今回はフィルム現像の話。
熊本にいたとき、結構な頻度でILFORDのDELTA3200を使っていたのだけれど
こいつが曲者で、熊本では現像できる場所がなくて東京送りになっていた。
おかげで納期が2週間弱かかってしまっていたため、「自分で現像しちゃえば!」
という結論にいたり、道具を揃えて現像を始めた。これが私の自家現像の始まり。

waffle cafe
Leica IIIa / Elmar 5cm f3.5 / Kodak 400TX

フィルムを自分で現像していると言うとよく
「家に暗室あるの!?」
と聞かれることがある。
もちろんそんなものは無い。

いや、あるといえばあるのだけれど、それは引き伸ばしをする際に
風呂場を暗室にすることができる、というだけである。
意外と知らない人も多いのだけれど、フィルムの現像に暗室は必要ない
パトローネ(120の場合はスプール)からリールに巻き取る時だけであり、
リールに巻いてタンクに入れてしまえば、その後は明室で作業ができる。

この場合、巻き替えについてはダークバッグを使う方が多いと思う。
私の場合は、ドアを閉め切ったトイレで行っている。
ダークバッグを買うお金をケチって始めたのだが、
意外とこれでもなんとかなっているので、今でもトイレ暗室である。

拾得物
Leica IIIa / Elmar 5cm f3.5 / Kodak 400TX

自家現像をオススメするか?と言われると、正直あまりオススメはしない。
なぜか?

まず地味である。
私はいつも洗面台を占拠してフィルム現像を行っているのだが
一定時間ごとにタンクを撹拌しなければならないため、基本つきっきりである。
また、洗面台なので当然鏡が有る。

1分おきにタンクを撹拌し、また1分待つという地味な作業をしている自分を
鏡越しに見続けるというのも、なんだか複雑な気持ちになれる。
さらに、プリントの場合は「写真」というモノが完成するけれど
現像で手に入るのは「ネガ」だけである。これまた地味だ

次に、失敗が許されない。
プリントは失敗しても焼き直せば良い。
しかし、フィルム現像を失敗すると、全てがパァになる。
手応えがあったネガなんかでやっちゃうと、目も当てられない。
なので、本来「失敗してはいけないネガ」はお店に出すのが安全である。

最期に、結構めんどくさい
1回の現像に使う時間は、30分くらいだろうか。
タンクのサイズにもよるが、私の持っている標準的なタンクであれば、
35なら2本、120なら1本一度に現像可能である。
あまり本数を撮らないのであれば問題ないのだが(それはそれで液が余るという困り事もあるが)

調子に乗って旅行先で10本なんて撮った日には、現像地獄である。
薬品代だけで計算するとコストは下がるように思うが、自分の時給を考えると…いかがだろうか。

under the light
Leica IIIa / Elmar 5cm f3.5 / Kodak 400TX

では、なぜ私は自家現像をするのか?
きっかけは、冒頭に述べた通りである。
どちらかというと撮った写真はすぐに見たいタイプの人間なので(デジカメを使えばという話はナシで)

撮った写真を現像に出して10日待つのは辛い!というところがあった。
また、DELTA3200でなくても普通のお店に出すとモノクロは通常2~3日かかる。
これも、自分で現像すれば自分でコントロールできるじゃん!と思ったのがきっかけである。

次に、現像についていろいろ調べているとわかったこと
やはり、モノクロは撮影からプリントまでやってこそ意味を成す、ということである。
(もちろんカラーも同様だと思うけれど…ちょっとハードルが高いかな)

シャッターを押す瞬間に
「どんな写真(プリント)をしたいのか」を思い浮かべ
「そのためにはどんなネガでどんな焼き方をすればよいか」を考え
「そのために必要なネガはどんなネガか」を考え
「じゃぁこの露出で撮る」と決められる
そんな撮り方ができたら、楽しいだろうなーと思い
その第1歩として、ネガの現像を始めたのである。
ちなみに、今ではプリントもできるようになったが
まだ上記のようなことまで考えてシャッターを切れるところまでは達していない。

精進有るのみ!

あとは、やっぱり安い(笑
上には「自分の時給が…」なんて書いたが、結局かかるお金は安い。
勿論前述したとおりリスクはあるが、決められたとおりに処理をすれば、
そうそう失敗することはない
(私は過去に1度だけ、温度管理がそこまで重要と思っていなかった初期の頃に
過現像でネガを真っ黒にしてしまった、失敗はその1度だけである)
そんなわけで、万人にオススメできるものではないけれど
興味を持ってやってみたい!という方については、先に述べたようなリスクがあるということを

十分理解し、覚悟できるというのであれば、是非試してみていただきたいと思う。
なかなか、処理を終えてタンクからネガを出すときのドキドキ感と
ちゃんと像が出てた時の喜びは、病みつきになるのである。

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