フィルムの自家現像

carp streamer
Pentax 6×7 / Kodak 400TX

今回はフィルム現像の話。熊本にいたとき、結構な頻度でILFORDのDELTA3200を使っていたのだけれど、こいつが曲者で熊本では現像できる場所がなくて東京送りになっていた。おかげで納期が2週間弱かかってしまっていたため、「自分で現像しちゃえば!」という結論にいたり、道具を揃えて現像を始めた。これが私の自家現像の始まり。

waffle cafe
Leica IIIa / Elmar 5cm f3.5 / Kodak 400TX

フィルムを自分で現像していると言うとよく「家に暗室あるの!?」と聞かれることがある。もちろんそんなものは無い。

いや、あるといえばあるのだけれど、それは引き伸ばしをする際に風呂場を暗室にすることができる、というだけである。意外と知らない人も多いのだけれど、フィルムの現像に暗室は必要ない。パトローネ(120の場合はスプール)からリールに巻き取る時だけであり、リールに巻いてタンクに入れてしまえば、その後は明室で作業ができる。

この場合、巻き替えについてはダークバッグを使う方が多いと思う。私の場合は、ドアを閉め切ったトイレで行っている。ダークバッグを買うお金をケチって始めたのだが、意外とこれでもなんとかなっているので、今でもトイレ暗室である。

※2020.6.2追記
この記事を書いたときはお風呂場暗室だったが、今は自室を暗室にできるようにしている。また、トイレ暗室はダークバッグに比べて広い(当たり前)ので、蒸れて手汗がフイルムに付着してしまう恐れなどが減るので意外とおすすめである。トイレに窓がないことが条件になるけれど…

拾得物
Leica IIIa / Elmar 5cm f3.5 / Kodak 400TX

自家現像をオススメするか?と言われると、正直あまりオススメはしない。なぜか?

まず地味である。私はいつも洗面台を占拠してフィルム現像を行っているのだが、一定時間ごとにタンクを撹拌しなければならないため、基本つきっきりである。また、洗面台なので当然鏡が有る。1分おきにタンクを撹拌し、また1分待つという地味な作業をしている自分を鏡越しに見続けるというのも、なんだか複雑な気持ちになれる。さらに、プリントの場合は「写真」というモノが完成するけれど、現像で手に入るのは「ネガ」だけである。これまた地味だ

次に、失敗が許されない。プリントは失敗しても焼き直せば良い。しかし、フィルム現像を失敗すると、全てがパァになる。手応えがあったネガなんかでやっちゃうと、目も当てられない。なので、本来「失敗してはいけないネガ」はお店に出すのが安全である。

最期に、結構めんどくさい。1回の現像に使う時間は、30分くらいだろうか。タンクのサイズにもよるが、私の持っている標準的なタンクであれば、
35なら2本、120なら1本一度に現像可能である。あまり本数を撮らないのであれば問題ないのだが(それはそれで液が余るという困り事もあるが)調子に乗って旅行先で10本なんて撮った日には、現像地獄である。薬品代だけで計算するとコストは下がるように思うが、自分の時給を考えると…いかがだろうか。

under the light
Leica IIIa / Elmar 5cm f3.5 / Kodak 400TX

では、なぜ私は自家現像をするのか?きっかけは、冒頭に述べた通りである。どちらかというと撮った写真はすぐに見たいタイプの人間なので(デジカメを使えばという話はナシで)撮った写真を現像に出して10日待つのは辛い!というところがあった。また、DELTA3200でなくても普通のお店に出すとモノクロは通常2~3日かかる。これも、自分で現像すれば自分でコントロールできるじゃん!と思ったのがきっかけである。

次に、現像についていろいろ調べているとわかったこと。やはり、モノクロは撮影からプリントまでやってこそ意味を成す、ということである。(もちろんカラーも同様だと思うけれど…ちょっとハードルが高いかな)

シャッターを押す瞬間に
「どんな写真(プリント)をしたいのか」を思い浮かべ
「そのためにはどんなネガでどんな焼き方をすればよいか」を考え
「そのために必要なネガはどんなネガか」を考え
「じゃぁこの露出で撮る」と決められる
そんな撮り方ができたら、楽しいだろうなーと思い
その第1歩として、ネガの現像を始めたのである。
ちなみに、今ではプリントもできるようになったが
まだ上記のようなことまで考えてシャッターを切れるところまでは達していない。

精進有るのみ!

あとは、やっぱり安い(笑)上には「自分の時給が…」なんて書いたが、結局かかるお金は安い。勿論前述したとおりリスクはあるが、決められたとおりに処理をすれば、そうそう失敗することはない(私は過去に1度だけ、温度管理がそこまで重要と思っていなかった初期の頃に過現像でネガを真っ黒にしてしまった、失敗はその1度だけである)そんなわけで、万人にオススメできるものではないけれど、興味を持ってやってみたい!という方については、先に述べたようなリスクがあるということを十分理解し、覚悟できるというのであれば、是非試してみていただきたいと思う。なかなか、処理を終えてタンクからネガを出すときのドキドキ感と、ちゃんと像が出てた時の喜びは、病みつきになるのである。

※2020.6.2追記
このあと、リールへの巻きが甘くてフイルム同士が接触してしまい、一部未現像という失敗を何度かやらかしたことがある。あとは現像液の両が足りなくて妙な線ができたりしたこともあっただろうか…ちょいちょい失敗はしているが、致命的な失敗はやらかしてないのでよしとしよう。

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