タテヨコとは、富士フィルムの作ったコンパクトカメラのこと。正式名称はAUTO-8QD Tateyoko である。
カメラの紹介記事はこちら
このカメラの秘密…というわけではないけれど、素晴らしい設計に気づいてしまったのでここに記しておく。もうみなさんご存知のことかもしれないけれど…(だって知らなかったんだもん)
このカメラは皆さんご存知の通り、縦向きにカメラを構えて写真を取るとちゃんと縦位置で日付が入る、というものである。そんなカメラで撮った2枚の写真なのだけれども、ひとつおかしなところがあることに気がつくだろうか?
そう、冒頭のモノクロ写真は写真中央寄りに日付が入っているのだけど、2枚めのカラー写真は写真の下端近くに日付が入っているのである。なんじゃこりゃ?と思い原因を探っていったところ、驚くべき(というほどではないかも)仮説が浮かび上がってきた。
この2枚の写真、並べてみるとわかるのだけれど、縦横比が違う。1枚目は自分で現像&スキャンしたもので、だいたい縦横比は2:3、一方2枚めはお店で現像&スキャンで見てみると縦横比は5:7になっている。35mmフィルムの画像サイズは2:3なのでカラーの方は少し上下が切られている形になっている。ではなぜそんなことになっているのか?
実は、一般的にプリントで使われるL判や2L判というサイズ、この印画紙のサイズが5:7でできているのである(L判が89mm x 127mm、2Lが127mm x 178mm)
つまり、5:7でスキャンされたカラーのデータは一般的にプリントした際にトリミングされる大きさになっている、というわけである
さて、このカメラが発売されたのは1985年(なんと同い年)当時はデータ化なんて技術はなく、写真を撮ったらお店で現像し、プリントして楽しむのが一般的であった。ということは、縦位置で撮った写真の上下はトリミングされてしまうのだ
もし縦位置で日付がもっと下に配置されていたとすると、プリントする際にトリミングされて切れてしまうことになる。そういったことがないように、縦位置で撮ったときの日付の位置がこの場所に配置されたのではないだろうか。データ化するのがが基本になってしまった今「なんでこんな真ん中にあるのかなー」と思っていたのだけれど、謎が解けて嬉しかったのでここに残しておくことにする(ちなみに裏取りはしてないのでホントかどうかは不明です)