何がきっかけだったかは覚えていないのだけれど、ふとPEN-FTでスナップが撮りたくなって久しぶりにPEN-FT一台でTOKYOの街に繰り出した。この日はまず渋谷のキタムラに先日撮影したフイルムの現像を依頼して、ラーメンを食べつつビールを飲んで時間を潰して受け取り、その後ナダールに移動して写真展を楽しむ…予定だった。いろいろ調べずに行くとうまく行かないものである。
拘る人は「メル『ツェ』デス」って呼ぶって聞いたことがあるんだけど本当だろうか?私は未だにそう呼んでいる人に出会ったことはないのだけれど…(ドイツ語読みだとメルツェデスだよね、あとフォルクスワーゲンもフォルクスヴァーゲンだし)
キタムラに現像を依頼するところまでは予定通り、しかし行こうと思っていたビールも飲めるラーメン屋さんが日曜定休ということを知り呆然…さらにラーメンの後にビールを飲もうと思っていたお店も14時開店ということで時間的に行けないことがわかり(15時にはナダールに行きたかった)呆然としたのだけれど、神は私を見捨てない、BUNKAMURAでソール・ライター展をやっていたことを思い出し、見に行くことに。コロナ騒ぎが始まったころに行こうと思っていたら急遽終了となってしまった写真展のアンコール開催である。ありがとうBUNKAMURA。
影響を受けやすい人間なので、ソール・ライターの写真を見た後は真似してみたくなる。真似は決して悪いことではないと思うのだけれど、徹底的に真似をすることでその表現の内面にあるものを掴んで型を自分のものにした上で、その型を破ったりしていくことで自分らしさが生まれてくるんじゃないだろうか。そこまで真面目に真似したことないけど。
どうしてもラーメンが諦めきれず歩いていたら七志を発見。地元のお店なのでなんだか懐かしくなって入ってみた。食べたかった細麺豚骨ではなかったけど、美味しくいただくことができた。ラーメンはリベンジしたいぞ…
さて表参道方面へ移動、と思って歩いていると見たことのない道を発見。宮下公園が新しい施設として生まれ変わっていた。せっかくなので冷気を養うのも兼ねて中を通ってみることにする。
ソール・ライターの写真を見ていると、覗きが好きだったんじゃないか…とか思ってしまう。自分と被写体の間に距離があって、その間になにか空間を遮るものが存在していることが多いような気がする。「何も写っていないように見えて片隅でなにかが起きている写真」(うろ覚えなので間違ってるかも)が好きだということなので、そういうことなのかもしれない。
PEN-FTを使っているとどうしても縦構図が増える。というかほとんど縦構図になる。縦構図は少しものを集中して見たときの視野に近いとか言われるように、被写体が際立って見えるのでポートレイトなんかには向いているとは思うけれど、スナップで使ってもなかなか面白いと思う。
宮下公園を抜けた後、キャットストリートに入るところで暑さに負けてビール休憩。散歩の間に立ち寄るには気軽に1杯だけ楽しめるようなお店があると嬉しい。この日訪れたPDX TAPROOMはアメリカ系のビールを多数取り揃えており、ついつい立ち寄ってしまう。私も知らないビールばかりなのだけれど、説明書きを読んで暑い日にピッタリだと思ったビールを注文、ぴったりなビールだった。説明書きも素晴らしい!
おかわりしたい気持ちを抑えて青山方面へ。ソール・ライターと同じく私も傘が好きなので、雨の日に散歩することも嫌いじゃないのだけれど、この時期は日傘もあちこちで見られるので嬉しい。おしゃれな形をした日傘や柄物、しましまなんかもついつい撮ってしまう。傘をテーマにして写真集を作ろうと思えば作れるのではないだろうか…
そんな感じでナダールに向かい、写真展を楽しんだ。その後は銀座に移動してスーパードライを楽しんだのだけれどこの続きは機会があったらまたいずれ。