M3にもいろいろある

Summilux with M3

今回はLeica M3の話である。

実は、M3は1954年に発売され、1966年までに22万台が製造された、らしい。
参考資料:ライカを買おう、ライカを学ぼう

しかし約12年の間にマイナーチェンジが次々と行われた結果
非常に多くの仕様がある、ということになってしまった

そう、M3にもいろいろあるのである。
私が購入時に調べたところでは、仕様違いで10種類あるようだ
(ネットで情報を集めただけで裏取りはしてないのでご承知おきいただきたい)

上の記事では2点だけ取り上げているが、
実際に仕様が変わっている部分は14箇所存在する。

・ボディ形状
・巻き戻し解除レバー
・ストラップ取り付け金具
・バックドアの固定
・巻き上げレバー
・巻き戻し指標
・ファインダー覗き窓
・感度ダイヤル
・フレームセレクタ
・巻き上げ回数
・巻き上げタイプ
・シャッターダイヤル
・フィルム圧板
・被写界深度表示

以上である。
長くなるのは承知の上で、ひとつひとつ説明していこうと思う

というのも、私が購入の際に参考にしたサイトが
非常に丁寧に解説をされていたのだけれど
最近閉鎖された?のか、見られなくなってしまったので
当時まとめていた情報を基に記録として残しておくことにしようと思ったのだ

 

尚、私が持っているのは1台(シリアルナンバー927835)だけなので、
自分のライカの写真を撮ってお伝えするが、
別のバージョンについてはネットなどを駆使して調べていただきたい

※文中に出てくる6桁の数字はシリアルナンバーを示す。

ボディ形状

701000まではは巻き戻し解除レバー上の一段出っ張っているところに
段付きが存在している。(詳細の写真は「Leica M3 段付き」で検索)

701001以降については、写真の形状となっている。

巻き戻し解除レバー

963000までは、上で載せた写真中央にある巻き戻し解除レバーが長い。

963001以降は長さが少し短くなっている。
これは、M2以降のモデルも短いもので統一されている

写真はM3とM2である。M2は手放してしまっており
過去の写真をひっぱってきた関係でいろいろ余計なものがついていて申し訳ないが
巻き戻し解除レバーを見ていただければ長さが違う(形状も少し違う)ことが
おわかりいただけるのではないだろうか

ストラップ取り付け金具

巻き戻しレバー同様、963000までは
いわゆるドッグイヤータイプと呼ばれる形状をしている。

963001以降はM2以降のモデルと同様
若干前側にオフセットされた位置に金具が取り付けられている。

これにより、重いレンズを付けたときのバランスが良くなっているようである

バックドアの固定

バックドア、フィルム交換時に開閉する、ドアである。(底蓋ではない)
これも963000までとそれ以降で違いがある。
古い型のものは底蓋を開けても裏蓋が開かないように
裏蓋の開閉に少しブレーキがかかるような仕組みになっている

963001以降やM2などは、底蓋を外すとバックドアがパカパカしてしまう
明らかにブレーキがかかっている方が使いやすいのだが
コストの問題で省かれてしまったのだろうか…

巻き上げレバー

巻き上げレバーの長さが変わっている。
854000まではレバーが短く、それ以降のものは長い。
ストロークの変化時期と同じかと思ったが、少しずれている…

巻き戻し指標

巻き戻しノブの指標(回転を確認するための印)も変化している

740000までは横棒、そこから782000までは赤点ひとつ、
そして782001以降は写真と同じ赤点ふたつとなっている。

ファインダー覗き窓

覗き窓と呼ぶのが正しいのか…ちょっと怪しいけれど
接眼部の径が変化している。

こちらも巻き戻し解除レバーなどと同様、963000までは径が小さく
それより新しいものは径が大きくなり、見やすくなっているようだ
(径が小さいものを使っているが気になったことはない)

感度ダイヤル

バックドアと同じ画像だが、今回は別のところに注目。
中央にある感度設定ダイヤルも変化している。
もちろんM3は露出計はついていないので、ただの備忘録用である

919250までのモデルは最大感度がASA200までしかない。
そこから963000までは最大が1000、963001以降は1300となっているようだ。

時代が進んでフィルムの感度も上がっていったため対応されたのだろう

フレームセレクタ

M3はレンズを付ければ自動的に焦点距離にあったフレームが表示される。
が、このレバーを用いて別の焦点距離のフレームを表示させることもできる。

しかしこのレバーも、785800までは装備されていない。
それ以降のモデルには全てついているが、M2でも一度なくなったよね。

巻き上げ回数

いわゆるシングルストローク、ダブルストロークというやつである。

ダブルストロークは巻き上げを1回、2回と巻かなければいけない
(巻き上げ角は一般的なカメラや1回巻き上げのライカの半分くらい)

919250までがダブルストローク、
それ以降はシングルストロークになっている。

巻き上げタイプ

巻き上げ回数とは別に、巻き上げタイプ(と呼ぶのがいいのか…)にも違いがある
巻き上げ軸を巻き上げ方向にだけ回転させるための機構である
(レバーを巻き上げて、元の位置に戻すときに空転させるための機構)

これが、963000までのモデルはスプリング式という方式をとっており
それ以降のモデルはラチェット式をとっている。
レバーを戻すときにチキチキ音がするのがラチェット式である。

ストロークと相まって、919251〜963000までのモデルは
シングルストロークでスプリング式という特殊な形式になっている。

巷ではこのときのモデルがもっとも巻き上げフィーリングが良い、
などと言われているが、実際のところは…どうだろう

シャッターダイヤル

シャッターダイヤルにも違いがある。
854000までのモデルはいわゆる大陸式と呼ばれる数字が刻まれている
(1/20とか1/50とかのやつ)
また、シャッターダイヤルの表面が光沢仕上げになっていた気がする

それ以降のモデルは国際式と呼ばれる(1/125とかのやつ)になり
仕上げもボディと同じ梨地仕上げになっている。

フィルム圧板

856000までのモデルはフィルム圧板がガラス製とのことである。
ガラスだと静電気が発生してフィルムが感光してしまうとかで
それ以降のモデルは金属に変更されている。

被写界深度表示

919251以降のモデルには、被写界深度表示というものがある。
ファインダーの中で被写界深度を確認できるのである

おわかりいただけるだろうか…
上手くピントが合わずぼやけてしまったのだけど
二重像(画像中央の黄色い四角)の部分の上下に
ちょびっと出っ張った部分があるのだが…わからないかな

この出っ張り、上が幅広く下は幅が狭い形状になっている。
そして、上がf16のとき、f5.6のときを示している。

これを使って被写界深度の確認ができる。つまり
f16のときは上の出っ張りの幅くらいは二重像がずれててもピントは合うよ
f5.6のときは下の出っ張りの幅くらい二重像がずれててもピントが合うよ
ということである。

あまり使われることがなかったからなのか(私も使ったことはない)
M2の後期くらいからはなくなっているようである

 

最後に、ここまで書いてたことを一覧にしたものを載せておく。
私が検討する際に作ったものなので言葉の使い方とか適当だけど
購入を検討されている方の参考になれば、と思う。

冒頭にも述べたとおり、裏取りはしていないのでご承知おきいただきたい。
もしも間違ってる、というような情報があれば修正させていただくので
ご連絡いただけると幸いである
(ただ、M3の場合純正・非純正問わず改造されたりしてる例もあるので
なんともいえないところが難しいところ…)

6件のコメント

  1. 以前雑誌の表紙に使い込まれて地金の出ているM2かM3のブラックが載っていてときめいてしまいました。
    バリエーションM3だけでも豊富ですね!
    1つづつ手にとって使いやすいのを選べたらいいのですが、なかなかそんな機会も有りませんし
    財布の都合上、私がMさんとイチャイチャできるのは先になりそうです。

    1. Mのブラックペイントはカッコいいですよね…
      しかし、お値段もかなりカッコいいので手に入れられることはなさそうです(笑
      M3は最もバリエーションが多かったと記憶しています。
      発売してからも少しずつ改良していったということなんでしょうか
      Mは歴史も深く状態も様々なので、選ばれる際はご注意ください!

  2. 最近購入したM3の73万番台/初期型のアイピース(?)がグッタベルカ状でカスタマイズによる後付けかと思っていたのですが糀屋寫眞機店さんのYouTubeチャンネルでも同じ状態のM3が出ていました。(公開日 2014/08/04)

    仕様なのかカスタマイズなのか気になります。

    1. お返事遅くなりました。そんな個体があるのですね…!
      特に初期の個体はいろんな仕様がありそうでわからないですよね…

      どこかで情報が得られたらこちらで共有させていただきますね!

  3. 段付きM3 にはマウントの12時の位置のネジ(Lシールが貼られてる所)が無いです。

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